2012年03月14日

さらら館 【VOL、7】1986.12


“美しき川は流れたり、そのほとりにわれは住みぬ・・・”
と室生犀星が詠った犀川
室生犀星が大好きだった犀川のほとりに建つ「さらら館」








 兼六園雪つりの日犀星墓地に赤い菊を豊かに捧げる。

 茶房犀せいにて。てらきの女主人、中村旅館のお嬢
さん、陶芸のY夫人、染色のN夫人、ウィンク上手な
O夫人、そして―「さらら館」「砂時計」の女主人と金
印越乃寒梅を痛飲。ついでにチークダンス。どの女体
も嬉しきかな。ああ南無阿弥陀仏。金大文学部学生M
君、友人H君、駆けつけた医学部M君らと談論風発。

 <都の風>の風狂の士坂野雄一邸にて大吟醸加賀菊
姫に口づける。富士正晴「吟遊詩人」を客とし、令夫
人心づくしの珍味佳肴。極楽ごくらく。

 この日会う叶わざりしは、陶芸家万作氏。卓夫氏。
病理教授K氏。外科N氏。加賀友禅K氏。福正宗のお
嬢さん。読売谷川氏。北国川畑氏。近代文学館新保さ
ん。環ママさん。EST高橋氏。さぬきや主人。叶い
しは、大関主人。きたまろ主人。中日池端氏。叡明館
渡辺女史と杉の井のフグ、葛切り。まこと旅は人と酒。

   年暮れぬ笠きて草鞋はきながら   芭蕉


           作家 葉 山 修 平(東京)




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2012年03月03日

さらら館 【VOL、6】1986.9

“美しき川は流れたり、そのほとりにわれは住みぬ・・・”
と室生犀星が詠った犀川
室生犀星が大好きだった犀川のほとりに建つ「さらら館」







 転勤、とりわけ単身赴任は勤め人にとってイヤなも
のであり、この頃社会問題となり裁判沙汰になったり
もする。ところが私には単身赴任が第二の青春時代
となりました。金沢の水が私にこよなく優しかったか
らです。

 12年前の9月、会社再建の特命を意気に感じて金沢
駅に一人降り立った時は、この地に身寄りも知人もな
くさすがに悲壮の思いでした。そんな初秋のある日、
ススキのゆれる手取川を遡り激流、岩を噛むあたり、
赤とんぼが私の手の甲にポッと留ったのが何ともいと
おしく「ここに友あり」と思ったことでした。

 少年の頃から、雪の降る街≠ヘロマンチックな憧れ
でした。最初の歳の雪か12月中旬の日曜日でした。私
は都ホテルの屋上にかけ上り、へんぺんと降る雪に向
って紙飛行機を投げた。風に舞ってボタン雪の中に消
えた。

 時は廻りちょうど12年目、犀川の畔、茶の間のよう
な店≠ナ心温かい友達と地酒を酌み交わす。今、63歳の
青春です。

        金沢近鉄タクシー社長
                真 鍋 五 郎



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2012年03月02日

さらら館文庫 【VOL、5】1986.8

“美しき川は流れたり、そのほとりにわれは住みぬ・・・”
と室生犀星が詠った犀川
室生犀星が大好きだった犀川のほとりに建つ「さらら館」







 敏感に、そして自分の心に素直に生きる――これが

私の目標です。

 その為には、私の五感はパラボラアンテナのように

高く感度を上げ、囲りを取りまく全てにものを見逃が

さない。そして、美しさ、醜さ、喜び、悲しみ、好き

嫌い――あらゆるものが通り抜けてゆくのに、私は身

を委ねる。その瞬間瞬間、私の心とからだは、さまざ

まな反応を示します。その中から、敏感に琴線に触れ

てくるものを大切にする。人間関係でも、自然であっ

ても、そうした私の感性を磨くのに、旅はとても役に

立ちます。いえ、欠かせない、といってもいいでしょ

う。“さらら館”との出逢い、それは彩(いろ)でい

えば、純白のまん中に見つけたピンクの固まり、ある

いは午睡の中の緊張、のイメージ。

 いつか、また訪れることのある、大切な場所の一つ

になりました。

            日本画家 太 田 紘 子
                  (東京都)




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